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後遺障害の等級認定は厳しい?

自賠責保険・後遺障害の異議申立について弁護士、医師、保険会社などに相談したところ、「等級認定は難しい・厳しい」と言われることがあるようです。

では実際に「認定は難しい・厳しい」のか、事例を踏まえそのようなケースの対処法・解決策を開業以来、後遺障害実務のみを取り扱い10年以上にわたり1,000件超の申請を行っている専門家が解説します。

異議申立の認定率推移(全国平均)

自賠責保険・後遺障害の等級を審査している損害保険料率算出機構が公表している「自動車保険の概況」によると、全国の申請及び等級変更された件数が記載されており、それらを認定率として割り出した統計は以下のとおりです。

このように現在公開されている2012年~2021年の平均認定率は9.9%と決して高くはありません。こういったデータから後遺障害の等級認定が「難しい・厳しい」と言われているものと思われます。弊所の認定率はこちら

認定確率が低く後遺障害が難しい・厳しい理由・原因

では、なぜこれだけ認定率が低く後遺障害の等級認定が難しい・厳しいのでしょうか。それは以下の理由が考えられます。

痛み、しびれは目に見えづらい

後遺障害申請の主な流れは、医師に診断書を作成してもらい、審査機関に資料を提出する手順で行われます。これらの手順の中で後遺障害が難しく・認定の確率が厳しくなってしまう一因があるようです。

ⅰ診断書の作成
診断書を依頼する際、症状を医師に伝えるときに、痛み、しびれは目に見えづらいことから、正確な症状が診断書に記載されない恐れがあります。

ⅱ後遺障害の等級審査
審査機関で審査される際も、提出された資料から痛み、しびれについて本来の症状がしっかり伝わらず、等級が適正に評価されない可能性があります。

「事前認定」で後遺障害を申請した

後遺障害の申請は、大半が医師に書いてもらった後遺障害診断書を相手側の保険会社へ送るという「事前認定」と呼ばれる方法で行われているのが現状です。

ⅰ「事前認定」のメリット
お金がかからない
手間がかからない

保険会社がサービスで行うものなので費用をかけずに後遺障害の申請ができます。また、保険会社が申請書類や資料をほとんど用意してくれるので手間がかかりません。

ⅱ「事前認定」のデメリット

手続きが不透明
実態が審査機関に届きにくい

申請を相手方保険会社に丸投げする形となるので、被害者は具体的な書類の内容を確認することができません。そのため、被害者の実情が審査機関に上手く伝わらず、後遺障害が適正に評価されずに等級認定が難しい・厳しい結果となってしまう可能性があります。

後遺障害の等級認定基準が公開されていない

自賠責保険の後遺障害等級は労災に準じて認定されます。よって、財団法人労災サポートセンターが発行している「労災補償 障害認定必携」という書籍を読めば、おおよその認定基準は把握できますが、具体的な自賠責上の認定基準は原則非公開となっています。

そのため、医療の現場において自賠責の認定基準の詳細が認知されておらず、医師は治療のためには不要と考え、自賠責保険では必要な検査を行わないことがあります。
その結果、適正な認定評価がなされず、等級認定が難しい・厳しいと言われる一因となっていると考えられています。

また、交通事故の相談を受付けている事務所へ後遺障害の問い合わせをした際、認定基準が非公開なことから、経験の少ない事務所だと具体的な認定可能性を言及できず、「認定は難しい・厳しい」と回答することもあるようです。

後遺障害の認定が「難しい・厳しい」と言われてしまった場合の対処法

「新たな診断書」等の新資料を用意する

後遺障害の認定ポイントを押さえた診断書を新たに医師に書いてもらえば、「難しい・厳しい」と言われていても認定の可能性を高めることができます
尚、医師に依頼する際には認定ポイントの把握が必要となります。

異議申立を「被害者請求」で行う

後遺障害が認定されなかった場合、異議申立をすることができます。その際、「被害者請求」という方法を選択すると、保険会社を通さずに後遺障害の申請を行うことが可能です。
被害者自身の実態を直接、審査機関に届けられるため、前述の「新たな診断書」を自ら異議申立で提出することができ、適正な等級評価を求めることが可能です。

後遺障害の「専門家」へ相談する

交通事故と言ってもその相談先は「示談・訴訟の専門家」と「後遺障害の専門家」に分類されます。「示談・訴訟」は任意保険、「後遺障害」は自賠責保険と同じ保険会社でもそれぞれ窓口が異なり、取り扱う法律も違うため、必要とされる知識・技量も異なります。そのため、各分野に精通した専門家に相談する必要があります。

「後遺障害の専門家」を見極めるポイントとして、相談時にご自身の症状について後遺障害が認定される可能性を詳しく聞くことをおすすめします。特に異議申立であれば、過去に取り扱った類似ケースの有無を訊ねてみると、事務所の経験値や知識量を測ることができます

実際の解決事例を紹介

ここでは、実際に弁護士や医師に「後遺障害の等級認定は難しい・厳しい」と言われてしまったものの、適切な対応をすることによって無事に解決することができた事例を紹介します。

まとめ

一般的な認定率の低さから、後遺障害の認定が「難しい・厳しい」と言われていますが、以下のポイントを押さえることにより、適正に等級認定される可能性があります。

  • 「新しい診断書」等を用意する
  • 異議申立を「被害者請求」で行う
  • 「後遺障害の専門家」に相談する

その中でも最重要のポイントは、「後遺障害の専門家」に相談することです。というのも、専門家に相談することができれば、「新しい診断書」等や、「被害者請求」についても最善策を提案してもらえることができます。
後遺障害に認定されない!どうすればいい?解決方法を108の事例からご紹介

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